2020年8月の記事一覧
トイレの臭い | トイレがカビ臭い、汚水臭い
前回はトイレの臭いの中でも一番お困りの方が多いアンモニア臭について書きました。
今回はトイレのカビ臭と汚水臭について書きたいと思います。
トイレがカビ臭い
トイレの中がいつもジメジメしていてなんだかカビ臭い。
こんなお悩みをお持ちの方もいるかと思います。
実際、トイレの湿気やそこからくるカビはどんなところに多く発生するのでしょうか?
トイレの湿気やカビの原因
これらが一番多いのは圧倒的にトイレタンクの裏側です。
上の図の赤い楕円の部分です。
通常便器を設置するときはトイレを広く使うためになるべくタンクを壁近くになるように設置します。
この壁とタンクの隙間に湿気による結露がつき、放置しておくとカビが発生します。
以前のトイレタンクは結露防止の作りになっているタイプと、そうでないタイプの二種類があります。
結露防止タイプは陶器のタンクの内側に発泡スチロールが貼り付けてあります。
結露防止タイプでないタンクは陶器のタンクのみです。
結露防止の作りになっていないタイプのタンクはもちろん結露がつきやすくなっています。
ですが、結露防止タイプのタンクも経年劣化によってその機能が低下すると結露がつくようになってしまいます。
結露防止タイプのタンクなのに結露がつく場合
タンク内側に発泡スチロールが貼り付けてあるタイプのトイレタンクは、経年劣化するとこの発泡スチロールが陶器から剥がれて隙間ができるようになります。
隙間ができるとここに水が溜まり結露の原因になるだけでなく、タンク外への水漏れを起こしたりもします。
上の画像のような感じです。赤丸で囲んだところが経年劣化して陶器タンクから剥がれて隙間のできた発泡スチロールです。
このような状態になるとタンク裏の壁に結露がつき、カビが発生しトイレのカビ臭さの原因となりますので、早めに修理をすることが一番のカビ臭の防止になると思います。
ちなみに最近のトイレのタンクは結露防止の発泡スチロールは貼り付けられていません。
陶器のタンクと別物のプラスチック製のタンクの二重構造になっていて、陶器タンク内にプラスチック製タンクを入れて組むようになっています。
トイレが汚水臭い
これはどちらかというとレアケースです。
基本的に水洗トイレは汚水や下水の臭いが上がってこないような作りになっています。
上脳の赤丸で囲んだところが「封水」とって、常にここにお水が溜まっているので、排水管からの匂いは上がってこない造りになっています。
なので、普通はトイレで汚水の匂いがすることはありません。
トイレが汚水臭い原因
ではトイレで汚水の匂いがするのはどんなときでしょうか?
- 排水管と便器のつなぎ目に隙間ができている。
- 封水がなくなっている
1ですが、床下排水(床下で縦に排水管が立ち上がっていて、トイレの床まで来ている)タイプのトイレ(戸建住宅はほとんどこのタイプです)の場合、床まで来ている排水管とその上に設置する便器の間に床フランジという部材を設置して、床フランジの上に水漏れしないようにPシールという輪っか状の粘土のようなものを挟み込みます。
これによって排水管と便器の接地面に隙間がなくなり、水漏れや汚水の臭い漏れなどを防ぎます。
このPシールが経年劣化すると固くなって粘着力がなくなり、隙間ができてしまいます。
この隙間から水漏れしたり、場合によっては臭いが出ることがあります。
2ですが長期間使っていないトイレでよくあります。
しばらく空き家になっていた家などでは封水が蒸発してなくなっていることがあります。
そのほか、トイレ内に異物が残って詰まっている場合などにはサイフォン現象というのを起こして封水が少しづつ吸い込まれてしまって減ってしまうことがあります。
風刺画なくなったり減ったりして完全に臭いに蓋をすることができなくなると汚水の匂いがすることがあります。
トイレのカビ臭も汚水臭も何らかのトイレの不具合が原因となって発生することが多いので、長年使っているトイレは異常が見られた場合は早めに点検、修理をすることをお勧めします。
トイレの臭い | トイレがアンモニア臭い
ご家庭のトイレの臭いが気になる方は意外と多いのではないでしょうか?
「きちんと掃除しているのにどうも臭いが・・・」っていう声をお客様からもよく聞きます。
今回はそんな「トイレの臭い」についてです。
トイレの臭い | 臭いの種類と原因
トイレの臭いと言ってもいろんな臭いがあります。代表的なのは
- トイレがアンモニア臭い
- トイレがカビくさい
- トイレで汚水のような臭いがする
こんな感じだと思います。
それぞれの臭いについて原因を見ていきたいと思いますが、ちょっと長くなりそうなので、今回はこの中から一番多く一番匂いのきついものについてです。
トイレがアンモニア臭い
一番多いのがこのお悩みです。
これはオシッコに含まれるアンモニアがトイレのいろんなところに飛び散ったり染み込んだりして発生する臭いです。
特に立って用をたす男性のいるお宅で多いようです。
具体的にこの臭いを発生させているトイレの部位は
- 便器と床の接地面
- 便器と便座の境目
- 床や壁
などです。
便器と床の接地面
ここは便器から垂れたオシッコが便器を伝わって床に染み込んだり、便器と床の間に入り込んだりしてしまい、固まって尿石などとなり臭いを放ちます。
これを防ごうとして便器と床の接地面にコーキングなどをしている場合がありますが、水廻り設備の専門家の意見としてはこれはあまりお勧めしません。
便器内に物を落としてつまらせてしまったときや、便器と床下の排水管の接地部分からの水漏れなどがあった際は便器を取り外して修理する必要がります。
この際に便器と床の接地面にコーキングがされているとこれを全て取らないと便器の取り外しができないばかりでなく、前述の便器と床下の排水管の接地部分からの水漏れに気づけずに床板が腐ったり、マンションなどでは階下漏水したりすることがあります。
ですのでコーキングをするのはトイレの床が斜めになっていて、接地した便器にぐらつきなどがある場合くらいにしておいたほうがいいと思います。
便器と便座の隙間
先ほどの便器と床の接地面よりもこの便器と便座(普通便座やウォシュレットなど)の隙間からアンモニア臭がすることの方が多いと思います。
私たちはよくトイレの便器交換や便座交換をしますが、便座を取り外した際にここの部分に茶色くなった尿石の塊が付着しているのを見かけます。
特に普通便座よりも便器との接地面の広いウォシュレットの方が、より多くの尿石の付着が見られ、臭いが強いことが多いです。
最近のウォシュレットはボタンを押してずらすだけで自分で簡単に取り外せるようになっていますので、たまに外して拭き掃除をしてあげるといいですね。
壁や床
これは要するにトイレの室内全体ということです。
最近テレビコマーシャルでもやっていますが、目に見えない小さな臭いの元(アンモニア)が飛び散って、壁や床に付着してしまうことで匂うようになってしまします。
トイレのアンモニア臭に対する予防と対策
では、この嫌なトイレのアンモニア臭を予防するにはどうすればいいのでしょうか?
予防方法として効果的なのは
- 男性も座って用をたす
- トイレの蓋を閉めて流す
この二点です。
1番については世の奥様がいくら言ってもなかなかご主人が座ってしてくれないというお悩みを現場でも聞きます。
男性の立場からすると、もともと立ってすることに慣れていますので、なかなか慣れません。
座って用をたすとオシッコが全部出きっていないように感じたりもします。
ここは根気よく奥様から旦那さんにお願いしてみて、できるようになるまで優しく見守ってあげてください。
また、男性は立って用を足しても便器外に飛び散っているねんて案外思っていませんので、たまにはトイレ掃除をご主人にしてみてもらって大変さを実感してもらうのもいいかもしれませんね。
2番については壁や床への目に見えない匂いの元の付着を防ぐのに有効です。
ただ、きちんと流れたか確認しないと不安な方も多いと思うので、面倒でも蓋を閉めて流し、流した後に蓋を開けて確認すれば匂いの予防には効果的ですね。
最後にすでにアンモニア臭が気になっている場合の対策です。
原因となっているもので一番多いのが便器と便座の隙間だと思います。
一体型便器(タンクと便座が一つになっているタイプのトイレ)やタンクレストイレ(タンクがないネオレスト など)については自分で便座を取り外すのはちょっと難しいと思います。
ただし、これらのトイレにもお掃除リフトなどの便利な機能がついていて、隙間を簡単に掃除できるものが多くありますので、取扱説明書などを一度読んでみてください。
普通の便器・タンク・便座が別々のトイレであれば割と簡単に便座を取り外すことができます。
便座の取り外し方についてはTOTOのサイトに詳しく出ていますので、よろしければこちらをご覧ください。
長年使った便座を初めて取り外した方は汚れ具合にびっくりされるかもしれません。
便座を取り外したら中性洗剤などを使って柔らかい布で拭き上げて綺麗にしてください。
そのほか、床や壁などは中性洗剤やトイレシートなどを使って日頃からお掃除するといいですね。
この場合注意してほしいことが一つあります。
トイレのお掃除シートですが、これらの商品の多くはトイレに流せますとなっています。
が、結構これがトイレに詰まります。
トイレットペーパーほど水に溶けやすくはありませんので、流す場合はあまり一度に大量に流さないように気をつけてください。
流さずにお掃除したら燃えるゴミで捨てるのが一番安心です。
今回は落ちれの臭い、とりわけアンモニア臭について書かせてもらいました。
そのほかの臭いについては次回書かせてもらおうと思います。